老後資金

高齢化の進行とともにますます枯渇する年金財政。日本でも年金支給開始の更なる繰り下げが検討されていますが、アメリカ、ドイツ、イギリスといった国々では既に年金を67〜68歳からに遅らせることが決定しています。それらの国々より高齢化が進んでいて消費税率も低い日本が、65歳からの年金支給を守ることは難しいのではないでしょうか。
これから財政の立て直しが始まれば、公務員の給料もカットされます。緊縮財政で景気が悪くなれば、大企業もますますリストラに踏み切らざるを得ません。
このような時代に、老後資金を確保するために私たちはどんな自助努力をしたらいいのでしょうか。

預貯金

本業の収入から、毎月預貯金を蓄える方法です。元本割れのリスクはほとんどありませんが、金利もコンマ0%以下なので、ほとんど利回りはありません。もちろん家計の見直し等で預貯金を増やすことは重要ですが、教育費や住宅費の負担も大きく、働き盛りでも預貯金のみで資産を築くことは難しいものです。
それに、将来インフレになった場合は、その実質的価値が大きく目減りしてしまいます。

公的年金

国民年金だけの自営業者やフリーターの方は、1人月額6万円の年金にしかなりません。それでも、制度上ほぼインフレリスクがヘッジされている国民年金は優れた資金運用になりますので、年金保険料はきちんと納付するべきです。
何か年金以外の老後資金を確保しなければ、いつまでも引退できません。

厚生年金や企業年金のある方は、現在制度では夫婦で月額20万円くらいからの方が多くなります。これも、物価スライドが制度上保証されている有利な資金運用です。月額20万円であれば、所有コストの安い自宅を持っていれば何とか生活できる、という人が多いでしょう。しかし、先に述べたように年金財政がひっ迫して、支給開始の繰り下げあるいは減額は不可避です。
このため、やはり年金以外の老後資金を確保することが必要でしょう。

個人年金

個人年金としてさまざまな商品が発売されていますが、公的年金と決定的に異なるのは、インフレヘッジがなく、税金投入もないことです。
このため年金と名がついていても実態は積立式定期預金や積立式投資信託と似たようなもので、支給期間は例えば10年などと限定され、支給額も積立額×運用利回りで決まってきます。終身型の個人年金もあるのですが、支給額と支払額を比較してみると有利とはいえません。
超低金利の現状では魅力的な商品とはいえないのが現状です。

商品取引・FX等

商品取引やFXが、普通の株式投資と異なるのは、株の信用取引と同様に借金でレバレッジをかけられるということです。例えば、ドルが値上がりしそうだ、という状況を考えてみましょう。
現在、1ドルが100円として、それが近々に120円までドル高になると予想したとしましょう。簡単のため税金や手数料は省きます。

この時、手持ちの10万円でドルを買うと、1,000ドル。これが1ドル120円になったところで円に戻すと12万円になります。差引2万円の利益です。
そこで、手持ちの10万円に90万円の借金をして、計100万円をドルを買うと10,000ドルになります。これが1ドル120円になり円に戻すと、120万円になります。しかし、そこから借金の90万円を返さなければならないので残りは30万円となります。
10万円が30万円に化けたのだから20万円の利益です。

しかし、逆に予想が外れて、1ドル100円が80円になったとしましょう。
手持ちの10万円をドルに換えると1,000ドルになります。これを1ドル80円で売ると8万円ですので2万円の損になります。
これが手持ちの10万円に90万円の借金をして100万円分のドルを買うと10,000ドルになります。それを1ドル80円で売ると80万円にしかなりません。そこから90万円を返さなければなりませんので10万円の赤字になります。最初の10万円も消えたので合計では20万円の損になります。

このようにFXでは、借金をすることで儲けをうんと増やすことができますが、予想と逆の動きになれば大損となります。このように、借金によって投資利益を拡大することをレバレッジをかける、といいます。借入というてこによって、大きな資産を持ち上げるということです。

株式

株式投資をギャンブルと見る方は多いですが、上記のFXと比較するとかなりリスクが限定された商品です。
しかし、銘柄選びやタイミングによっては失敗もあります。レバレッジをあまりかけられないのも難点です。

不動産投資の特徴

今まで見てきたような金融商品と比較すると、賃貸マンションをはじめとする不動産投資には下記のような特徴があります。

特徴1

預貯金のコンマ0%、配当の2〜3%と比較して、家賃収入の表面利回りが7〜15%、諸経費を弾いた純利回りでも5〜13%と高い。

特徴2

不動産は担保として使えるので、自己資金が少なくても銀行借入で買える。それも20年〜40年と長期のローンにできるので、家賃(インカムゲイン)でローンを返していける。(レバレッジ)

特徴3

株式や債券と同様、元本が保証されているわけではなく、賃貸借・売買とも相場に変動がある。

特徴4

株式や債券と比較すると流動性が低く、売買費用がかかる。

特徴5

減価償却や青色申告特別控除をすることで、給与所得者でも自営業者のように経費を認めてもらえ節税できる。

特徴6

現金と比較して相続評価が低くなり、相続税の節税対策に好適である。

もっと簡単に言えば!

利回りが高く、銀行借入で買えて、家賃収入で返済ができる、ということになります。
これはどういうことでしょうか。

銀行からお金を借りて、何かを買う。これは、一般個人でも行っていることです。自宅マンションやクルマをローンで買う、という方は多いと思います。

ただ、これらと不動産投資が決定的に異なるのは、自宅やクルマのローンが生活費(給与収入)から支払われるのに対して、不動産投資のローンは、入居者から入ってくる家賃から支払われる、ということです。

なぜ、こんなことができるのか?それは、不動産は利回りが高いからです。福岡市内の1億円、築20年の賃貸マンションの表面利回りは10%、ネット利回り8%程度としたら、家賃収入から諸経費を引いた後の収入が年間700万円になります。これに対して1億円を20年で返すとすると年間の返済額は500万円+利息 となります。
だから、不動産投資の場合は、家賃でローンを返済していくことができるのです。

何が違うのでしょうか。それは、利回りが違う、ということです。

自己資金がなくても投資できる(レバレッジ率無限大)

家賃でローンを返済できる、ということは、購入諸経費まで含めて満額ローンを組めば、自己資金なしで投資ができる、ということです。

これは投資の世界ではとても稀なことです。

先物取引、FX等のところでレバレッジという言葉が出てきました。
これは、簡単にいえば借金を使って投資を拡大することで、利益を増やす方法です。もちろん、失敗したときのリスクもその分大きい、ということも説明しました。

ところが不動産投資の場合は、ミドルリスクで無限大のレバレッジをかけることができるのです。

1億円の投資をするのに、自己資金が1000万円の場合はレバレッジ率10倍です。借入を9000万円使うことになります。
FXの世界では、レバレッジ率10倍は相当のリスクですが、不動産投資の場合はミドルリスクとなります。投資と同時に家賃収入がついてきて、それでローンを毎月返済できるからです。
全額借入で不動産投資をすることもできます。この場合は自己資金がゼロなのでレバレッジ率は無限大となります。自己資金を出さず、銀行ローンと不動産購入の契約をするだけで、ゼロから家賃収入が入ってきます。それでもミドルリスクの範囲にとどまるのは、やはり利回りが高いからです。

ローンを返済すれば自分のものになる?

1億円の賃貸マンションを20年ローンで自己資金ゼロで購入した場合、年間500万円+利息の返済が始まります。
20年も自分のものにならないなんて不安!と思われるでしょう。

でも本当はそうではありません。

毎年500万円を返済することで、1年経過後の残高は9500万円、2年経過後は9000万円、5年経過後は7500万円というように、ローン残高はだんだん減ってきます。減ってくるにつれて自分の持分が増えていく、と考えた方が正しいでしょう。

不動産投資のリスクは

もちろん、不動産投資も事業である以上、いろいろなリスクがあります。それは、不動産投資の項で改めて説明したいと思います。